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仕事を知る|医師・歯科

女性医師のキャリアと働き方

医師として働き続けることと、家族や自分の生活を大切にすることを、どう両立させていくか。これは女性医師に限らず多くの医療者にとっての課題ですが、ここでは女性医師の歩みを入り口に、制度と働き方の考え方を整理します。

朝の光が入る窓辺の丸いテーブルに置かれた緑茶とノート、椅子に掛けられたカーディガン

女性医師の歩み

ウィキペディア日本語版の「女医」の項目では、「女医」とは女性の医師のことであると説明されています。同じ項目には、日本では医師の資格を得るための国の試験制度が明治時代に整えられる前から、女性の医師が開業していた例があったこと、そしてその試験に合格して国家資格を得た女性が明治期に現れ、明治の終わりまでには国内で医籍に登録された女性医師が一定数いたことが記されています。

女性が医師になる道は、はじめから開かれていたわけではありませんでした。制度や社会の考え方が少しずつ変わり、先人たちが道を切り開いてきた結果として、いまでは医学部で学ぶ女性も、臨床や研究の最前線で働く女性医師も、特別な存在ではなくなっています。こうした歴史を知ることは、今の働き方の課題を考えるうえでもひとつの手がかりになります。

両立の壁になりやすい時期

医師のキャリアは、大学卒業後の臨床研修、専門分野の研鑽、専門医の取得、そして指導的な立場へと、長い時間をかけて積み上がっていきます。この時期は、多くの人にとって結婚や出産、子育てといった人生の大きな出来事が重なりやすい時期でもあります。当直や急患対応、長時間の手術など、医師特有の勤務の性質も、家庭との両立を難しくする要因になりがちです。

こうした事情から、出産や子育てをきっかけに勤務を減らしたり、いったん臨床を離れたりする医師もいます。離れること自体は本人の選択として尊重されるべきものですが、戻りたいときに戻りやすい環境があるかどうかは、職場や地域によって差があります。本人の努力だけでなく、制度や職場の仕組みがどう支えるかが問われる領域です。

育児休業という制度

働く人が子育てのために仕事を休むための仕組みとして、育児休業があります。ウィキペディア日本語版の「育児休業」の項目では、育児休業とは子を養育する労働者が法律にもとづいて取得できる休業であり、日本では育児介護休業法によって定められていると説明されています。

医師も、病院などに雇用されて働く場合は労働者であり、こうした制度の対象になります。ただし、実際にどのような条件で休業を取れるのか、復帰後に短時間勤務などを選べるのかといった具体的な運用は、勤務先の規程によって異なります。制度があることを知ったうえで、早めに勤務先の担当部署に相談し、自分の場合にどう適用されるのかを確かめることが大切です。育児休業は性別を問わない制度であり、男性医師が取得する例もあります。

ワーク・ライフ・バランスという考え方

仕事と生活の調和を表す言葉として、ワーク・ライフ・バランスがよく使われます。ウィキペディア日本語版の「ワーク・ライフ・バランス」の項目では、ひとりひとりが自分の時間を仕事とそれ以外にどのように分けているか、どのようなバランスにしているかということ、と説明されています。また、日本では2007年(平成19年)に、政府や経済界、労働界などの合意によって「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」が策定されたことも紹介されています。

医療の現場では、患者さんのために長く働くことが美徳とされてきた面もあります。しかし、働く人が心身ともに健やかであることは、安全で質の高い医療を続けるための前提でもあります。医師の長時間労働を見直す国の取り組みについては、医師の働き方改革のページで紹介しています。

職場の側にできること

両立の問題は、働く人ひとりの努力だけで解決できるものではありません。職場の側にも、できることがたくさんあります。たとえば、当直や呼び出しの当番を特定の人に偏らせない仕組みをつくること、会議や勉強会を勤務時間内に設定すること、急な休みにも対応できるよう複数の医師で患者さんを担当する体制をとることなどです。

こうした工夫は、子育て中の医師だけでなく、介護を担う医師や、自分自身の体調に配慮が必要な医師、そして若手医師を含めたすべての人の働きやすさにつながります。特定の人のための特別扱いではなく、チームとして無理なく診療を続けるための仕組みづくりとして考えることが、長い目で見て職場全体の力になります。

柔軟な働き方の選択肢

家庭との両立をはかる医師の働き方には、いくつかの選択肢があります。

どれを選ぶかは、専門分野や地域、家族の状況によって変わります。非常勤という働き方の基本は医師の非常勤・スポット勤務とはで整理しています。大切なのは、キャリアを「続けるか、やめるか」の二択で考えず、その時期に合った形を選びながら長く続けていけるよう、制度や職場の仕組みを上手に使っていくことです。

いったん臨床を離れた医師が戻るときには、知識や手技の感覚を取り戻すための学び直しの機会があると安心です。所属していた診療科の先輩や、同じような経験をした同僚に相談することも、大きな助けになります。ひとりで抱え込まず、周囲の力を借りながら自分のペースで復帰の準備を進めていきましょう。