医療・介護しごと図鑑医療と介護の仕事と制度を、やさしく解説する独立したガイド

仕事を知る|看護・介護

看護師という仕事

病棟で、外来で、手術室で、そして患者さんの自宅で。看護師は、医療の現場でもっとも患者さんの近くにいる専門職です。その役割と資格の仕組み、キャリアの広がりを見ていきましょう。

水色の上衣を着た人の両手が、何も書かれていない白い紙を挟んだクリップボードを持っている様子

看護師の役割

看護師の仕事は、大きく分けると二つの柱で説明されることが多いものです。ひとつは、病気やけがをした人の療養生活を支える世話。食事や清潔、移動、睡眠といった日々の暮らしを整え、その人が回復に向かう力や、病気とともに暮らす力を支えます。もうひとつは、医師の診療を補助する仕事です。診察や検査の介助、医師の指示にもとづく処置や与薬などを、安全に確実に行います。

このふたつを通じて、看護師は患者さんの状態の変化にいち早く気づく立場にいます。顔色や表情、食欲、ちょっとした言葉の変化など、日々そばにいるからこそわかることを医師やほかの職種に伝えるのも、看護師の大切な役割です。医療チームの中で、患者さんとほかの専門職をつなぐ要の存在ともいえるでしょう。

看護師と准看護師

日本の看護職の資格には、いくつかの種類があります。ウィキペディア日本語版の「日本の看護師」の項目では、看護師は保健師助産師看護師法にもとづく国家資格であり、看護師になろうとする人は看護師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならないと説明されています。

同じ項目によれば、准看護師は都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師または看護師の指示を受けて看護の業務を行う資格です。准看護師になるには、養成所などで学んだうえで都道府県知事が行う試験に合格する必要があります。免許を与える主体が国か都道府県か、そして業務を行う際の立場が異なる点が、看護師と准看護師の大きな違いです。

看護職には、このほかに地域の人々の健康づくりや保健指導を担う保健師、出産の介助や妊娠・出産・産後の支援を担う助産師もあり、同じ法律で定められています。また、同じ項目では、かつて女性を「看護婦」、男性を「看護士」と呼び分けていた名称が、2002年(平成14年)の法改正によって男女ともに「看護師」に統一されたことも紹介されています。

看護師国家試験

看護師国家試験は国が実施する試験で、厚生労働省のウェブサイトには看護師国家試験の施行についての案内が掲載されています。受験するには、大学や短期大学、専門の養成所などで定められた教育課程を修めることが必要です。受験資格や日程、試験地といった具体的な事項は、必ず公式の告知で確認しましょう。資格の全体像は医療・介護の国家資格と国家試験でも整理しています。

さまざまな職場

看護師のもっとも代表的な職場は病院です。病院の中でも、入院患者さんを受け持つ病棟、通院する人に対応する外来、手術室、救急、集中治療の部門など、部署によって仕事の中身やリズムは大きく異なります。夜間も患者さんを見守るため、病棟では交代制の勤務が一般的です。

病院の外にも、看護師の活躍の場は広がっています。地域の診療所、介護老人保健施設などの介護施設、健診を行う施設、学校の保健室、企業の健康管理の部門、そして療養している人の自宅を訪ねる訪問看護などです。自宅での療養を支える訪問看護は、病棟とは違った視点や判断が求められる働き方で、訪問看護という働き方のページで詳しく紹介しています。

専門性を深める道

看護師として経験を積んだ後、特定の分野の専門性を深める道もあります。そのひとつが認定看護師です。ウィキペディア日本語版の「認定看護師」の項目では、認定看護師は看護職の職能団体が認定する、日本の看護師の「名称」であると説明されています。一定の実務経験を積んだうえで、分野ごとの教育課程を修了し、審査に合格すると認定を受けられる仕組みです。

さらに、大学院の修士課程で専門的な教育を受け、実務経験を重ねたうえで認定を受ける専門看護師という道もあります。認定看護師が特定の分野で質の高い看護を実践する役割を担うのに対し、専門看護師は、実践に加えて、ほかの看護職への相談対応や調整、研究など、より広い役割を担うことが期待されています。

このほか、看護の管理職として病棟や部門の運営を担う道、看護教員として次の世代を育てる道、研究者として看護の知識を深める道、保健師や助産師の資格を取って活動の場を広げる道など、看護師のキャリアには多くの選択肢があります。

看護師の働き方を考える

交代制の勤務や夜勤は、看護師の働き方の大きな特徴です。患者さんを昼夜を問わず見守るために欠かせない仕組みである一方、生活のリズムを保つための工夫も必要になります。医療現場の長時間労働を見直す動きは医師だけでなく、看護師を含めた医療従事者全体にかかわるテーマです。医師の働き方改革のページでは、医療の現場で働く時間が問われる背景にも触れています。

ライフステージに合わせて、病棟から外来へ、病院から訪問看護や介護の現場へと職場を移しながら、長く看護の仕事を続ける人も多くいます。どの場所で、どんな人を、どのように支えたいのか。看護師という仕事は、その問いに応じてかたちを変えながら、一生をかけて続けていける仕事です。