医療・介護しごと図鑑医療と介護の仕事と制度を、やさしく解説する独立したガイド

仕事を知る|看護・介護

介護職という仕事

食事、入浴、移動、そして毎日の会話。介護職は、年齢を重ねたり障害があったりして日常生活に支えが必要な人の暮らしを、すぐそばで支える仕事です。

大きな窓のそばに車いすが置かれた、明るく誰もいない談話室と木のテーブル

介護の仕事の中身

介護の仕事は、大きく「身体介護」と「生活援助」に分けて説明されることがあります。身体介護は、食事や入浴、排せつ、着替え、ベッドから車いすへの移動など、からだに直接触れて行う支援です。生活援助は、掃除や洗濯、調理、買い物など、暮らしを保つための家事の支援を指します。

ただ、介護の仕事はこうした作業の一覧だけでは言い表せません。その人ができることは自分で続けられるように見守り、できないところをさりげなく補う。好きなことや大切にしてきた習慣を知り、その人らしい一日を一緒につくっていく。表情や体調の小さな変化に気づき、看護師や家族に伝える。介護職は、暮らしの専門家としてこうした関わりを積み重ねています。

国家資格・介護福祉士

介護の分野を代表する国家資格が介護福祉士です。ウィキペディア日本語版の「介護福祉士」の項目では、介護福祉士は社会福祉士及び介護福祉士法を根拠とし、身体介護や生活援助などの社会福祉業務に携わる人の国家資格であると説明されています。同じ項目では、直接的な身体介護を行う介護分野で唯一の国家資格であること、そして社会福祉士や精神保健福祉士と並ぶ名称独占の国家資格であることにも触れられています。

名称独占とは、資格をもたない人がその名称を名乗ってはいけない、という意味です。介護の仕事そのものは資格がなくても始められる部分がありますが、「介護福祉士」を名乗って働けるのは試験に合格して登録した人だけです。資格は、専門的な知識と技術をもって介護にあたる人であることを示すものになっています。

介護福祉士国家試験は、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが実施しています。同センターの介護福祉士国家試験のページには、試験のお知らせのほか、資格制度の概要や、受験資格を得るための道筋を示した「資格取得ルート図」、実務経験を証明する書類の様式などが掲載されています。受験資格を得る方法には、養成施設で学ぶ道、福祉系の高校で学ぶ道、実務経験を積んで研修を修了する道などがあり、どの道を通るかによって準備が変わります。自分がどのルートにあたるのかは、必ずこの公式の案内で確かめてください。

ホームヘルパーの仕事

介護を必要とする人の自宅を訪ねて支援する人は、ホームヘルパーと呼ばれることが多いでしょう。ウィキペディア日本語版の「訪問介護員」の項目によれば、介護保険法では訪問介護を行う人を訪問介護員と呼び、通称としてホームヘルパーやヘルパーと呼ばれています。同じ項目では、以前の養成研修に代わるものとして、介護職員初任者研修が設けられた経緯も紹介されています。

ホームヘルパーは、利用者さんの家というその人の暮らしの場に入って仕事をします。訪問看護と同じく、ひとりで訪問することが多いため、状況を見て判断する力と、気づいたことをケアマネジャーやサービス提供の責任者にきちんと報告する姿勢が欠かせません。施設とはまた違った介護の面白さと難しさがある働き方です。

介護保険との関係

介護の仕事の多くは、介護保険という公的な仕組みの中で提供されています。どのようなサービスを、どれくらい利用するのかは、要介護認定の結果とケアマネジャーが作成するケアプランによって決まります。介護職は、このケアプランにもとづいて日々の支援を行い、その様子を記録してチームで共有します。制度の基本は介護保険制度のしくみで紹介しています。

チームで支えるということ

介護の現場は、介護職だけで成り立っているわけではありません。看護師、ケアマネジャー、生活相談員、理学療法士や作業療法士などのリハビリの専門職、栄養士、そして家族。利用者さんの暮らしには、たくさんの人がかかわっています。介護職は、その中で利用者さんと過ごす時間がもっとも長い職種のひとつです。

だからこそ、介護職が気づいたことは、チームにとって貴重な情報になります。食事の量が減った、いつもより元気がない、歩き方が変わった。そうした小さな変化を記録し、必要な職種に伝えることで、早めの対応につなげることができます。介護の記録や申し送りは、単なる事務作業ではなく、チームで利用者さんを支えるための大切な仕事です。

介護の職場と働き方

介護職の働く場所は、入所して暮らす施設、日中に通って過ごす通所の事業所、自宅を訪ねる訪問の事業所など、さまざまです。入所の施設では夜間も支援が必要なため、交代制の勤務が一般的です。職場ごとの特徴は介護の職場いろいろで詳しく紹介しています。

介護の仕事は、経験を重ねるほど、利用者さん一人ひとりへの理解が深まり、支援の工夫の幅が広がっていく仕事です。介護福祉士の資格を取ってリーダーとしてチームをまとめる道、ケアマネジャーとして支援の計画を担う道など、キャリアの広げ方もいろいろあります。人の暮らしに寄り添うことに関心がある人にとって、長く取り組みがいのある分野です。