仕事を知る|リハビリ・コメディカル・治験
コメディカルの仕事
医療の現場には、医師や看護師のほかにも、検査や画像、医療機器、リハビリテーションなどを専門とする多くの職種がいます。こうした職種は、まとめて「コメディカル」や「医療専門職」と呼ばれることがあります。

チーム医療を支える専門職
病院で診療を受けるとき、患者さんが顔を合わせるのは医師や看護師だけではありません。採血をして検査をする人、レントゲンやCTの撮影をする人、手術室や透析の部屋で医療機器を扱う人、話すことや飲み込むことの練習を担当する人。医療は、こうした多くの専門職の協力によって成り立っています。
ここでは、リハビリの分野から言語聴覚士、検査の分野から臨床検査技師、画像の分野から診療放射線技師、医療機器の分野から臨床工学技士を取り上げます。理学療法士と作業療法士については、それぞれ理学療法士(PT)という仕事と作業療法士(OT)という仕事で紹介しています。
言語聴覚士(ST)
ウィキペディア日本語版の「言語聴覚士」の項目では、言語聴覚士は、言語や聴覚、音声、呼吸、認知、発達、摂食・嚥下にかかわる障害に対して、検査と評価を行い、必要に応じて訓練や指導、支援などを行う名称独占資格の専門職であると説明されています。日本では言語聴覚士法にもとづく資格で、英語の略称から「ST」とも呼ばれます。
同じ項目によれば、言語聴覚士がかかわる主な障害には、ことばの障害、きこえの障害、声や発音の障害、そして食べる機能の障害があります。話すこと、聞くこと、食べることは、人とのつながりや暮らしの楽しみに深くかかわっています。言語聴覚士は、病院のリハビリテーション部門のほか、介護の現場や子どもの発達を支える場など、さまざまな場所で働いています。
臨床検査技師
医師が診断をするためには、血液や尿の検査、心電図などの生理機能の検査といった、さまざまな検査の結果が欠かせません。ウィキペディア日本語版の「臨床検査技師」の項目では、臨床検査技師は病院などの医療機関でさまざまな臨床検査を行う技術者であり、日本では厚生労働大臣の免許を受けて、医師または歯科医師の指示のもとに、定められた検体検査と生理学的検査を行う職種だと説明されています。
検体検査とは、血液や尿など、からだから採取したものを調べる検査です。生理学的検査は、心電図や超音波の検査など、からだに機器を当てて調べる検査を指します。検査室で精密な機器を扱う仕事と、患者さんと直接向き合う仕事の両方があり、正確さと丁寧さが強く求められる職種です。
診療放射線技師
レントゲン撮影やCT、MRIなど、からだの内部を画像で調べる検査を担うのが診療放射線技師です。ウィキペディア日本語版の「診療放射線技師」の項目では、診療放射線技師は、病院や診療所などの医療機関で、医師の指示のもとに主に放射線を用いた検査や治療の業務、そしてそれらに必要な機器やシステムの管理を行う、国家資格をもつ医療職であると説明されています。
放射線を扱う仕事であるため、患者さんと医療スタッフの安全を守るための知識と管理が欠かせません。撮影では、診断に必要な画像を得るために患者さんの姿勢を整えたり、検査の流れを説明して不安をやわらげたりすることも大切な仕事です。
臨床工学技士
臨床工学技士は、医療機器の専門家です。臨床工学技士法にもとづく国家資格で、医師の指示のもとで、呼吸や循環、代謝の機能の一部を代わりに担ったり補ったりする生命維持管理装置の操作と、その保守点検を担います。人工呼吸器や人工透析の装置、手術で使われる機器など、医療の現場には高度な機器が数多くあり、それらが安全に正しく動くことを支えるのが臨床工学技士の役割です。
手術室や集中治療の部門、透析の部門などで機器を操作するほか、病院内の医療機器の点検や管理、ほかの医療スタッフへの使い方の説明なども行います。医学と工学の両方の知識を生かす仕事といえるでしょう。
職種どうしのつながり
これらの職種は、それぞれ独立して仕事をしているように見えて、実際には深くつながっています。たとえば、ある患者さんの診療では、臨床検査技師が行った血液の検査と、診療放射線技師が撮影した画像が、医師の診断の材料になります。手術の場面では臨床工学技士が機器を管理し、手術のあとには言語聴覚士や理学療法士がリハビリテーションを担当する、というように、ひとりの患者さんの経過の中で多くの専門職がバトンをつなぎます。
そのため、コメディカルの仕事では、自分の専門分野の知識だけでなく、ほかの職種が何をしているのかを理解し、必要な情報をわかりやすく伝える力が大切になります。チームの中で自分の役割を果たしながら、患者さんにとって最善の医療を一緒につくっていく。それが、コメディカルという言葉に込められた意味だといえるでしょう。
資格を取るには
ここで紹介した四つの職種は、いずれも国家資格です。国が指定した養成課程のある大学や専門学校などで学び、国家試験に合格して免許を受けることで、それぞれの名称を名乗って働くことができます。受験資格や試験の日程などは、必ず公式の案内で確認してください。
医療の専門職を目指すとき、医師や看護師以外にも多くの道があることを知っておくと、自分の関心に合った仕事が見つかりやすくなります。人と直接向き合う仕事がしたいのか、精密な技術を磨きたいのか、機器やデータを扱うことが好きなのか。自分の得意なことを手がかりに考えてみましょう。資格の一覧は医療・介護の国家資格と国家試験にまとめています。