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制度を知る

介護保険制度のしくみ

介護が必要になったとき、ホームヘルパーに来てもらったり、デイサービスに通ったり、施設に入所したりするための費用を、社会全体で支え合う仕組みが介護保険です。介護の現場で働く人にとっては、毎日の仕事の枠組みそのものでもあります。

介護保険とは

ウィキペディア日本語版の「介護保険」の項目では、日本の介護保険について、社会の高齢化に対応するため平成9年(1997年)の国会で制定された介護保険法にもとづき、平成12年(2000年)4月1日から施行された社会保険制度であると説明されています。

介護保険が始まる前は、高齢者の介護サービスの多くは、市町村が必要性を判断してサービスを決める「措置」という仕組みで提供されていました。介護保険の導入によって、介護は保険料を出し合って支え合う社会保険の仕組みに移り、利用する人が自らサービスを選んで契約する形が基本になりました。同じ項目でも、市町村による行政措置から社会保険制度への転換として、この変化が位置づけられています。

保険者と被保険者

保険の仕組みには、保険を運営する「保険者」と、保険に加入する「被保険者」がいます。同じ項目によれば、介護保険の保険者は原則として市町村と特別区です。つまり、介護保険は住んでいる市町村ごとに運営されている制度です。

被保険者は、一定の年齢以上でその市町村に住所がある人です。被保険者は、高齢の人(第一号被保険者)と、医療保険に加入している中高年の人(第二号被保険者)の二つに分けられています。第一号被保険者は介護や支援が必要になったときにサービスを受けることができ、第二号被保険者は、老化にともなう特定の病気が原因で介護が必要になった場合にサービスを受けることができます。保険料の負担の仕方も、この区分によって異なります。

サービスを使うまでの流れ

介護保険のサービスは、必要になったらすぐに使えるわけではありません。一般的には、次のような流れをたどります。

  1. 申請:本人や家族が、住んでいる市町村に要介護認定の申請をします。
  2. 認定:調査や医師の意見書などをもとに、介護や支援がどの程度必要かが判定されます。これが要介護認定です。
  3. 計画:認定の結果にもとづいて、どのサービスをどのように使うかの計画(ケアプラン)をつくります。
  4. 利用:サービスを提供する事業者と契約し、計画にそってサービスを利用します。

同じ項目では、保険給付の種類として、要介護の状態に対する「介護給付」と、要支援の状態に対する「予防給付」があることも説明されています。認定の結果によって、利用できるサービスの種類や量が変わってきます。

ケアマネジャーの役割

この流れの中で、要となるのがケアマネジャー(介護支援専門員)です。ウィキペディア日本語版の「介護支援専門員」の項目では、ケアマネジャーは介護保険法などを根拠にケアマネジメントを行う有資格者であり、要支援・要介護の認定を受けた人やその家族からの相談を受けて、ケアプランを作成し、自治体や介護サービスの事業者との連絡や調整を行うと説明されています。

ケアマネジャーは、利用する人の暮らしぶりや希望、家族の状況などを聞き取ったうえで、訪問介護、通所介護、訪問看護、福祉用具の貸与など、さまざまなサービスを組み合わせた計画を考えます。サービスが始まったあとも、定期的に状況を確認し、必要に応じて計画を見直します。介護にかかわる多くの職種や事業者のあいだをつなぐ、調整役の仕事です。

主なサービスの種類

介護保険のサービスは、大きく分けると、自宅で暮らしながら利用するサービスと、施設に入所して利用するサービスがあります。自宅で暮らしながら利用するものには、ホームヘルパーが訪問する訪問介護、看護師が訪問する訪問看護、日中に施設に通う通所介護(デイサービス)や通所リハビリテーション、短期間だけ施設に泊まる短期入所などがあります。

施設のサービスには、常に介護が必要な人が暮らす介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や、在宅への復帰をめざす介護老人保健施設などがあります。それぞれの施設の違いは介護の職場いろいろで紹介しています。

見直しを重ねてきた制度

介護保険は、始まってから何度も見直されてきた制度です。厚生労働省の介護保険制度の概要のページには、制度の概要をまとめた資料とともに、これまでの介護保険法の改正内容が年ごとに掲載されています。また、同じページでは、地域包括支援センター、介護予防・日常生活支援総合事業、介護医療院など、制度の中で設けられてきたさまざまな仕組みへの案内もまとめられています。

制度の細かな内容は改正によって変わることがあるため、具体的な条件や手続きを確かめるときは、厚生労働省や住んでいる市町村の最新の案内を確認することが大切です。

医療との関係

介護保険は医療保険とは別の制度ですが、両者は密接にかかわっています。たとえば訪問看護は、利用する人の状況によって介護保険と医療保険のどちらかで提供されます。病院から自宅に戻る人を支えるには、医療と介護の両方のサービスを切れ目なくつなぐことが欠かせません。こうした連携の考え方は、地域包括ケアシステムとはで紹介しています。

働く人にとっての介護保険

介護の現場で働く人にとって、介護保険は仕事の前提となる仕組みです。どの利用者さんに、どのサービスを、どのような計画にもとづいて提供するのかは、すべてこの制度の枠組みの中で決まっています。サービスの記録を残すことや、計画に沿った支援を行うことにも、制度上の意味があります。

制度の全体像を知っておくと、自分の仕事がチームや地域の中でどのような役割を果たしているのかが見えてきます。介護職の仕事については介護職という仕事をご覧ください。